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読んだら最後!?必ず旅に出てしまう旅人のバイブル本「深夜特急」とは

Nobu / 来年から世界一周

新卒を蹴り飛ばし来年から世界一周開始

 

こんにちは!宴師のNobuです!
突然ですが、沢木耕太郎著「深夜特急」という本は知っていますか?

 

多くの旅人がバイブルとしている不朽の名作で、文庫本なら全6巻で単行本なら全3巻、たった一人の旅人がバスのみでユーラシア大陸を横断する放浪記です。

 

今回は、この本を愛してやまないこの僕が文庫本区切りで内容と同時に名言を紹介し、余すことなく「深夜特急」の魅力をお伝えしたいと思います!

 

そしてこれからこの記事を読んでもらえるあなたに一つ謝らないといけないことがあります。

 

すみません、この本に出会えたあなたは、必ず旅に出てしまいます。

 

 

はじめに

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まず本を読んだり、活字を読んだりすることに抵抗がある方に朗報です!

 

「深夜特急」はまるで魔法にかかったかのような気持ちで読み進められ、気づいたら全巻読み終わり、次の瞬間には旅に出ているほどの麻薬本なのです。だから活字嫌いのあなたも余裕で読めちゃいます。

 

そして実は、あの猿岩石だった有吉弘行さんの、ヒッチハイクでユーラシア大陸横断企画は、この本がモデルとなっていたんですよ?知ってましたか?

 

そんな「深夜特急」の最大の魅力は、決してガイドブックではないこと。現地人でも観光客でもない、ただ一人の旅人としての放浪記。

 

インフォメーションではなく、エンターテイメントとしての名言が多いこの本は、島国日本で生まれ育った僕たちだからこそ読むべき本だと断言できます。

 

さぁまずは、試しに「乗車」してみませんか?

 

「深夜特急」の詳細情報

1985年に刊行され始めた本書ですが、実は本での時代背景は今から40年前のこと!ですがそんなことを微塵も感じさせないほどリアルで、ドラマチックなのが不朽の名作と言われている理由なんですよ。

 

しかもこの本、文庫単行合わせて、600万部売れています!現代でも読んでいる人間がいることがその面白さを期待させますよね〜。

 

ここまで売れたらテレビ局も黙ってるはずもなく、テレビドラマ化もしてるんです。主演は大沢たかおさん。さらには「深夜特急」に取り憑かれ、人生を狂わせた人がいるとかいないとか…(笑)

 

ここまで見てわかるとおり、そのカルト的な人気が伝わってくると思います。ではみてきましょう!

 

第1巻 香港・マカオ編

 

photo by Nobuyuki Tanaka

1巻では、香港・マカオでの放浪です。ほんの小さな賭けから行くことになった香港では、現地民からご飯をたかられたり、失業している若者にご飯を奢ってもらったりします。

 

そして香港から船でマカオに行きカジノに熱中するのですが、そこで、大小(タイスウ)というサイコロ博打に出会い、そこからはもうカジノの話です。僕の感覚ではほぼ、カジノの話で終わります

 

あっという間に100ドルすった筆者は、それを取り戻そうとしてまた100ドル失います。しかしそこまで行っても筆者は下がりません(笑)。

 

納得いくまで戦い続ける、そんな筆者とカジノの戦いが描かれています。

 

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”香港の街の匂いが私の皮膚に沁みつき、街の空気に私の体熱が溶けていく。街頭で華字新聞を買い、小脇に抱えて歩いていると、香港のオジサンやオバサンに呼び止められて、道を訊かれるようになった。黙っているかぎり、誰も私のことを異国人とは見なさなくなる。異国にありながら、異国の人から特別の関心を示されない。こちらは好奇の眼で眺めているが、向こうからは少しも見られない。それは、自分が一種の透明人間になっていくような快感があった。”本書引用部分

 

この名言は、自分自身の存在が現地で当たり前の存在になって来たときのものです。これは旅ならではのもので、旅行では得られない感覚ですよね。

 

今ではこれを「沈没」と言いますが、本の時代にはそんな言葉はありません。透明人間になって行くような快感、とっても素敵な表現ですよね。

 

第 2巻 マレー半島・シンガポール編

 

photo by Nobuyuki Tanaka

2巻では、マレー半島・シンガポールでの放浪です。香港からバンコクへ飛んだものの香港で感じていたあの熱気を感じることはできず、熱を求めマレー半島に進み、シンガポールに向かいます。

 

ここでは売春宿に宿泊することになり、娼婦たちの生き様に圧倒されたり、シンガポールから来た若者たちとの交流から、筆者は大事なことに気づくんです!

 

っと…その大事なことをここに書けないのが非常にもどかしいですが、そこは読んでからのお楽しみに♪

 

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”私は旅に出て以来、ことあるごとに「金がない」と言いつづけてきたような気がする。だが、私には少なくとも千数百ドルの現金があった。これから先の長い旅を思えば大した金ではないが、この国の普通の人々にとっては大金というに値する額であるかもしれない。私は決して「金がない」などと大見得を切れる筋合いの者ではなかったのだ。”本書引用部分

 

この名言は、現地の人との貧富の差を感じ取らせるものですよね。現代に当てはめてもこれは変わらず、例えばフィリピンと日本の比較ですが、フィリピンでの平均月収は大体、18,000ペソだと言われています。これは僕たちでいう3万円。

 

高校生がアルバイトをする方が高いお給料をもらっているのです。自分がいかに裕福な生活を当たり前としているかを気付かされます。

 

第3巻 インド・ネパール編

 

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3巻では、インド・ネパールでの放浪です。路上で突然足首を物乞いに掴まれたり、ガンジーが神の子と評した子供たちとの交流をしたり、死体を焼いている現場を目撃するなど、生と死のドラマを感じさせられます。

 

本書がこのシリーズで、1番重たい内容であることは間違いないです。その理由としてここでは、あちらこちらで「死」を連想させ、人間の感情が渦巻いてる表現が多いからだと思っています。

 

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”便所で手が使えるようになった時、またひとつ自分が自由になれたような気がした。ガヤの駅前では野宿ができた。ブッダガヤの村の食堂ではスプーンやホークを使わず三本の指で食べられるようになった。そしてこのバグァでは便所で紙を使わなくてもすむようになった。次第に物から解き放たれていく。それが快かった。”本書引用部分

 

この名言は、現地のトイレ事情に直面したときのものです。実は筆者は、紙を使おうと思えば使えたのですが、あえて使わなかったのです。郷に入っては郷に従え。このことわざのような感覚が筆者にはあったのでしょう、異国の文化を持ち出すのを自らやめたのです。

 

第4巻 シルクロード編

 

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4巻では、シルクロードでの放浪です。はい、今もしかして、シルクロードってどこだよ、国じゃねーのかよ、そもそもなんだよ。なんて思いませんでしたか?

 

シルクロードとは中国と地中海の国をつなぐ交易路のことです…まぁ、難しい表現は一旦置いておきましょう。つまりまぁ、西に行きやすい道であり、ロンドンに迎える道でもあったわけですよ。

 

ここでは、パキスタンで乗ったバスのチキンレースに怖がりながらもアフガニスタンにむかいます。

 

ついに旅は佳境を迎える!そこでは、警察に突然なぐられ、連行されそうになるという大事件が!この後どうなったかは、またも読んでのお楽しみです♪

 

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”私にはひとつの怖れがあった。旅を続けていくにしたがって、それはしだいに大きくなっていった。その怖れとは、言葉にすれば、自分はいま旅という長いトンネルに入ってしまっているのではないか、そしてそのトンネルをいつまでも抜け切ることができないのではないか、というものだった。数カ月のつもりの旅の予定が、半年になり、一年にもなろうとしていた。あるいは二年になるのか、三年になるか、この先どれほどかかるか自分自身でもわからなくなっていた。やがて終ったとしても、旅というトンネルの向こうにあるものと、果してうまく折り合うことができるかどうか、自信がなかった。旅の日々の、ペルシャの秋の空のように透明で空虚な生活に比べれば、その向こうにあるものがはるかに真っ当なものであることはよくわかっていた。だが、私は、もう、それらのものと折り合うことが不可能になっているのではないだろうか。”本書引用部分

 

この名言は、自分自身のやって来たことが本当に身になるのかが、心配になって来たときのものです。本当はもっと近いはずのゴールをどんどん伸ばし、それでもなお、確実に近づいてくるゴールの先に何があるのか。

 

自分が手放して来たもの以上の成果を得られたのだろうか、本当にこの旅に意味があったのだろうか。心の葛藤が現れた部分で、旅人ならば一度は意識する問題ですよね?

 

第5巻 トルコ・ギリシャ編

 

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5巻では、トルコ・ギリシャでの放浪です。ついに筆者がヨーロッパへ差し掛かります!この旅の中で唯一と言っていいほどの目的をトルコで果たすことになります。その目的を果たした筆者は、どんどん旅が終わりに近づいていることに気づきます。

 

ギリシャへと入りついにヨーロッパへ。だが、ヨーロッパを感じるのは物価の高さばっかりで、自分に合う街とは思えないまま旅を続けることになります。

 

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”旅がもし本当に人生に似ているものなら、旅には旅の生涯というものがあるのかもしれない。人の一生に幼年期があり、少年期があり、青年期があり、壮年期があり、老年期があるように、長い旅にもそれに似た移り変わりがあるのかもしれない。私の旅はたぶん青年期を終えつつあるのだ。何を経験しても新鮮で、どんな些細なことでも心を震わせていた時期はすでに終わっていたのだ。”本書引用部分

 

この名言は、旅が終わりに近づくにつれ自分の成長を感じ始めたときのものです。旅にで始めたときは、見るもの全てが新鮮で刺激的だが、旅に慣れてくるにつれて、あっこの景色はどこと似ているなぁ、といったことに気づけるような余裕が生まれる。

 

この後も筆者は、自分が今壮年期なのか老年期なのかの葛藤まで続け、旅の終わり方を考え始めたんです。

 

第6巻 南ヨーロッパ・ロンドン編

 

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6巻では、南ヨーロッパ・ロンドンでの放浪です。そう!ついに物語は最終巻!今まで続いて来た旅はここで終わりを迎えます。ヨーロッパへ入っている筆者はもうすでにいつでも旅を終わらせることができますが、ここでもまたカジノに出会い、香港でのリベンジを考えたりします。

 

さーて本当にリベンジしたかは、これで最後、読んでのお楽しみです♪

 

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”もし、この本を読んで旅に出たくなった人がいたら、そう、私も友情をもってささやかな挨拶を送りたい。恐れずに。 しかし、気をつけて。”本書引用部分

 

この名言は、僕たち読者に宛てたものです。筆者の人柄が伝わってくるような暖かい言葉ですよね。

 

これは僕の感覚ですが、賢く回るのではなく、いかに旅に酔狂になれるか、そして自分の身だけは守りながら、最大限旅を楽しむ。こう言われているように思えます。

 

ちなみにあなたはどうですか?

 

この話題について語り合える仲間が世界中にいると思うとワクワクして来ますよね。

 

終わりに

突然ですが、今のあなたはどれに当てはまりますか?

 

1,深夜特急を買うために本屋に向かっている。
2,深夜特急を買うためにネットで探し始めている。
3,深夜特急は本としてではなくweb上で買い、いつどこででも読める体制をつくろうとしてる。

 

…っていうのは冗談です(笑)。この記事を最後まで読んでくれているあなたは、もうすでに購入し、なんなら読み始めていますもんね?

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長々と紹介させてもらったのですが、実はこの本、多くの人が学生時代に出会いたかったという本なんですよ。

 

学生時代に出会っていれば今の人生はもっと豊かになっていただろうし、この道は選んでなかったと思う。しかし逆にこんな意見もあります。

 

むしろ学生時代に出会わなくてよかった。もし出会ってしまってたら、全てを捨ててでも旅に出てしまい、旅人として生きていきたくなっていただろうから。

 

ちなみに僕の一番身近でこの本をバイブルとしている人は、TABIPPOの名付け親の方です。もちろんその方も世界一周経験者です。

 

深夜特急を読む前の今のあなたはどちらに進みたいですか?

 

ちなみに僕は、来年から世界一周を始めます。今年大学4年生の僕は、新卒も内定もバッチリ蹴り飛ばし、ここで人生が変わるであろう大きな決断をしたわけです。(もちろんバックパックには深夜特急を詰め込みます)

 

これから深夜特急を読破する皆さん!世界中のどこかで会いましょうね!

 

 

Nobu / 来年から世界一周

千葉県出身。将棋と筋肉を好むシャーロキアン。旅するのに目的っている?「コンセプトがないのがコンセプト」の世界一周行ってきます。

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